中学受験Three Starsの国語担当、大谷です。
「国語の学力を伸ばすためには?」をテーマにしたブログ第2回です。
前回の記事で、「国語力を5つに細分化して、どれを強化するか意識することが重要」という話をしました。
今回はそのひとつ「要約力」の鍛え方についてです。
「現代文の読解」というと、大人目線で「テクニック」に走ってしまう人も多いですが、
中学受験の国語は「ちゃんと文章が理解できていれば解ける」ものがほとんどです。
ですので、新小3・新小4では「文章をちゃんと読めているかどうか」をまず大切にしましょう。
大人が小3や小4の文章を読むと簡単に読めてしまうので、子どもとのギャップが生じてしまいがちです。
「まだちゃんと文章は読めないものだ」という認識からスタートし、親のサポートで読めるようにしていくつもりで取り組むと良いですね。
さて、今回は説明文の要約力トレーニングのコツをお話しします。
説明文というくらいなので、何かのテーマを「説明」しています。
ですので、まずは「テーマは何?」という確認をしてあげてください。この意識をつけることがスタートです。
四角で囲むなど作業をさせるのが良いでしょう。
なお、日本語の文章では、「主語」が「テーマ」になりますので、「は」「が」「も」「こそ」「さえ」に注目させる意識も大切です。
次に、「テーマ」を「小テーマ」に枝分かれさせていきます。
たとえば「熊」がテーマだったとして、さらに「熊のエサ」「熊の冬眠」「熊の体温」のように枝分かれしていきますので、「この段落では熊の何を説明してる?」
と問いかけてみましょう。
ここまでをまとめると、「熊の冬眠は〇〇のためである」という一文が、「要点」になることが分かります。
この作業を目安として段落で一文ずつ探していくと、要約力がついていきます。
そして要約力の鍵は「具体」と「抽象」を見分けることです。
低学年のうちから、「具体的とはどういうことか?」を説明して意識させてみましょう。
(抽象という概念はちょっと難しいので、「具体的」だけで大丈夫です)
「お寿司が好き」→たとえば?→「マグロ」→もっと詳しくすると?→「マグロの赤身」 これが具体的だよ。という感じです。
「具体」が分かるようになると、「具体を抜けたあとに要点がくる」という構成が見えるようになってきます。
よく、「『つまり』や『このように』という接続語をチェックしよう!」という指導がありますが、これらの接続語には具体例をまとめる役割があるからです。
このように、「テーマ・小テーマのチェック」「具体と抽象の区別」をすることで、要点がチェックできるようになり、要点を追っていくことで全体の要約が見えてきます。
家庭学習で説明文に取り組む際には、上記のようなサポートをして、「この話はどんな話だったかな?」と問いかけてみましょう。
特性が視覚にある方は、図を書いてまとめてみることも効果的です。
本日のブログはここまで。
次回は論説文の要約のポイントをお話しします。お楽しみに。
ちなみに、Three Starsの会員向け動画では、
・小4上 第18回・第19回
・小4下 第4回・第9回
・小5上 第11回
・小5下 第2回
上記の動画で今回の内容を実際の問題を題材に説明しています。
気になる方はご視聴ください。(動画ひとつにつき5分前後で視聴できます)
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