【国語を読み解く10のロジック】
中学受験Three Starsの国語担当、大谷です。
「国語の学力を伸ばすためには?」をテーマにしたブログ第8回です。
今回のテーマは、「論理力 四択問題」その2です。
……………………………………………………………………………………………………………僕は小学校5年生。中学受験をするために塾に通っている。最初は塾も楽しかったんだけど、テストは難しいし宿題は多いし…
だんだん嫌になってきた。最近はこっそり宿題をさぼってしまうことも多い。うちの家は共働きで両親ともに仕事で忙しく、
「宿題はやったの?」とは聞かれるけれど、ノートを見ることまではしてこない。
なので、「うん。大丈夫。終わってる」と答えておけばそれで平気だ。
そんなある日曜日、塾から電話がかかってきた。そういえば算数の先生が変わったので、今度挨拶の電話をするって言ってたっけ。
僕は、なんとなく気まずくて、母さんが電話で話している間、自分の部屋で勉強していた。
少しして、部屋のドアが開いた。
振り替えると、母さんが顔を真っ赤にして立っていた。
「あんた!塾の宿題、いつも半分くらいしかやってないんだって!?どういうことだい!?」
やばい、ばれた。
僕は必死で言い訳を考えた。
……………………………………………………………………………………………………………<問題>
「母さんが顔を真っ赤にして立っていた」とありますが、この時の気持ちとして最も適しているものを選びなさい。
皆さん、作問者の視点でこれを見てみましょう。
まず「正解」をどんな内容にするかを考えますよね?
本来は「こういう正解になるな」と考えてながら線を引く場所を決めていますので、そもそもまず「正解」は問題ができる前にすで決まっている場合がほとんどです。
ということで、まず正解を作ってみましょう。
『先生に宿題をやりきっていないと言われ、息子が嘘をついていたことに激怒している。』
こんな感じでしょうか。
正解づくりにもコツがあり、「本文の言い換えで選択肢を作る」ようにしています。
四択問題が苦手なお子さんは、まずこれを意識すると良いですね。
次に、間違え選択肢を作っていきます。
まず、ふたつ「消せる選択肢」を作ります。
『電話で家でまったく勉強していないことを注意され、恥ずかしかったから。』
「まったく」という言葉を入れて、「半分くらいしかやってない」と矛盾させます。
「恥ずかしかった」もセリフの言い換えとして適しませんね。
『先生からの電話で、息子が勉強に真剣に向き合ってないことに気づき悲しんでいる』
前半がいくら良くても、文末がずれていればすべてダメ、のパターンです。
間違え選択肢を作る簡単な方法は、文末をずらすことなので、「まず文末で消す」は鉄則です。
最後に、「フェイク」の選択肢を作ります。これで正答率を調整します。
皆さんだったらどのように作りますか?
『先生に宿題をやりきっていないと言われ、息子が嘘をついていたことに激怒している。』
この正解の選択肢を基準にして、「ちょっと変えて」作るのがオーソドックスですよね。
たとえば
『もう小5になったのに、息子が受験に全力で向き合っていないことに腹を立てている。』
「激怒している」と「腹を立てている」、ここに違いはありません。
「宿題をやりきっていない」と「受験に全力で向き合っていない」は、どちらもありそうな説明ですけれど、微妙にニュアンスが違います。
どちらが×とが言えないけれど、比べてみたらどっちがいいでしょうか?
そうですね。
母親は「塾の宿題、いつも半分くらいしかやってないんだって!?」と言っているので、「宿題をやりきっていない」の方が「より良い」選択肢と言えます。
もう一度問題文を見てみましょう。
四択問題は、「最も適しているものを選びなさい」と問われますよね?
つまり、「ばっちり正しいものはひとつしかありません!」ではなく、「微妙な違いがある
ので、それを良く考えて最も適したものを選びましょう!」という問題なわけです。
ということで、四択問題を解くうえでのロジックがこちらです。
【国語を読み解く10のロジック】
その1.四択問題は「消去」からの「比較」
まずはふたつ消し、のこったふたつを比較して差に注目し、どちらが「より良いか」で正解を導く。
これがちょっと難しい四択問題の攻略法です。
お子様への解説に活用してください。
このロジックは、中学受験Three Starsの動画
・小4下 第11回
・小5上 第6回、第7回
で扱っています。実際の問題でコツをつかんでみてくださいね!
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